学校ロゴに込めた想い

「にしあわくらモンテッソーリ子どもの家」のロゴは、(株)西粟倉・森の学校に勤務されている西岡真生子さんが作ってくださいました。未来にむかって伸びやかに跳ねる子どもと共に、西粟倉の原生林を象徴するドングリ、人工林を象徴するミツマタ、美しい川を象徴するオオサンショウウオのモチーフを配置してくださいました。どれも、子ども達の目線に立った時に見つけることのできる、西粟倉の豊かな自然を代表するものばかりです。

 

自然界の豊かで多様な動植物と人の子で地球を構成するという発想は、私が米国で勤めていた学校のロゴからもインスパイアされています。グラデーションの色合いには、それぞれの子ども達に、その子らしい色とりどりの人生を切り拓いていってほしい、一人ひとりの子の多様性、その子らしさが尊重される社会が実現しますようにという願いも込められています。

 

ここで、「多様性」というものについて考えてみたいと思います。モンテッソーリ教師として仕事を始める前の私は、多様性といえば、国籍・民族・文化的背景・肌の色・宗教がどうかといった、どちらかといえば固定的なとらえ方をしていました。それぞれの子どもに対しても、この子は積極的である、一方、あの子は控えめでおとなしい等といった、一つの固定的な性質をあてはめて考えていました。

ですが、モンテッソーリ教師として子ども達と接するうちに、子どもの内に秘めたもっともっと豊かな多様性に出会うようになりました。例えば、学び方一つをとっても、目で見た情報、耳から入る情報、実際に自分の手で触れてみて分かる情報、そのどの情報がその子にとって入りやすく、理解しやすいかは、子ども達一人ひとりによって異なります。

 

また、その子がどのような分野に興味を持つかに関しても、芸術的なものが大好きな子が、数に関する教具や美しい立体といった具体物に触れることで、数的な世界に瞬く間に魅了されるということもあります。性格に関しても、室内の環境で深い集中現象を起こしている時と、外の森で木登りしている時とでは、まるで別人のように見える子どももいますが、そのいずれもが、その子にとっての数ある美しい側面の一つです。

 

教師の役目は、そんな一人ひとりの子ども達の内から湧き上がるような、心に響く選択を尊重しながらも、まだその子も知らない世界を紹介し、こんなことを好きな自分もいる、こんな感情になる自分もいる、自分一人でするのが好きだと思っていたけれど、お友達と一緒に取り組むのも悪くないな!等と、一人ひとりの子の持つ多様性を引き出し、その子がその子自身を知る手がかりを与えることだと考えるようになりました。

 

多様性、ばんざい!!この環境に通ってくれる子どもが、まだ見ぬ自分に出会う、そんなお手伝いができたらいいなと思っています。そんな想いを深くくみとり、ステキなロゴを作ってくださった西岡真生子さん、本当にありがとうございました!!

 

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